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憧れの山 〜今ここを大切に特別な世界へ ③〜

初めての経験

 

彼方まで広がる雪の斜面を登り始める

冬用の登山靴に10本のアイゼンをつけ登り始めた

 

先日、残雪の残る雪山を軽アイゼンを使って登った

しかし、その経験とは全く違うものだった

 

まささんにアイゼンのつき方、脚の運び方を教わる

アイゼンは足裏全体で斜面を捕まえるように

そして、山側は進行方向に真っ直ぐに、谷側は斜面下に向けていく

斜め上に一歩ずつ上がるように

 

ある程度斜面を横断すると、ピッケルをしっかりと雪面に刺して

方向を転換する

 

教えてもらったが、すべて初めての経験、それもぶっつけ本番

中々、まささんのように足場をしっかりと作りながら登っていくことは本当に難しい

 

そんな難しさを感じながら登っていた

 

そんな中、立ち止まりふと後ろを振り返ると

 

誰も歩いていない雪面に足跡がくっきりと

自分たちの歩いてきた証だと伝えるように

一本の線となっていた

 

その足跡を見ながら、自分たちで道を選び進むとは

誰も歩いたことがない場所を選び、一歩一歩進んでいくことなのかもしれない

そんな想いが自然と出てきた

 

雪山はそんなに甘いもんじゃない

 

一歩ずつ脚の運び方、つき方を意識しながら登っていく

中々、まささんのように安定しない

その不安定さは体を支える太腿に知らず知らずのうちに

負担をかけていく

 

 

ふと振り返る

気がつくと眼下にはその感覚を忘れさせる雲海が

顔を変えて広がっていた

 

その雲海のエネルギーを力に変え

再び登りだす

その先には噴火の痕跡を示す

岩盤が顔を見せていた

その岩盤を目指し、登りだした

 

 

一歩一歩着実にただ足取りはまだまだ安定しない

気がつくと右足の太腿がすでに張り始めた

 

まささんと同じ場所を歩けるように

そして、しっかりトレースできるようにと意識を集中し登っていく

テンポが同調し、共振する瞬間が少しずつ起きるようになってきた

ただ長くは続かない

 

すぐにバランスを崩す

 

またリズムを取り戻すのにたくさんのエネルギーを使う

その繰り返し

等々、右足の太腿は悲鳴を上げ始めた

休憩を挟みながら登っていく

 

8合目の山小屋が見えた

あと少しで休める

そんな気持ちが横切る

 

その瞬間

”今ここ”

を大切にできていない自分がいた

はやる気持ちがまた体に負荷をかけていく

 

本当に登れるのか、そんな不安が横切る

 

7合目を超えたとき

完全に右の太腿が攣りそうな状態だった

すぐに斜面に座り

疲労を抜くために右足をストレッチした

 

負荷をかけないために

まささんの足の運び方にさらに集中していく

少しずつ同じような足の運び方ができる時間が少しずつ

延びて行った

 

ただそれは意識的にやっているだけなので

集中が切れるとすぐにバランスを崩す

 

8合目を超えたとき

今度は右足の太腿を庇っていた左足の太腿が悲鳴をあげたのだ

この時、本当に上まで行けるのかそんな不安が頭の中に溢れていた

 

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